"iMac用の初めての差込広告は16ページくらいのもので、ニューズウィーク誌やタイム誌向けのものでした。それを作っていた時のことです。これは一番最初のiMacで、アップルを救うことになる新しいコンピュータだったこともあり、スティーブにとって非常に重要なものでした。私たちはアップルから素材のアートワークをもらいます。発売されるまで製品の仕様は常に変わるので、最新のアートワークを使った印刷用の最終版を用意しました。何百万刷と印刷されますからね。承認のためにスティーブが確認をしたのですが、彼はキーボードのブルーの色が違うことに気づきました。とてもわずかな色の違いだったので、部屋にいた他の人は誰もそれに気づきませんでした。しかし彼の目には見えていたのです。 その時スティーブは車に乗っていたようで、そこから私に電話をかけてきました。彼はとても怒っており、私はこれほどまでに人間が激怒しているのを聞いたことがありません。キーボードのブルーが間違っているせいで広告キャンペーンが全部ダメになると彼は考えていたのです。「全て台無しだ、大惨事だ!」と彼は叫びました。実際はそれほど大きな問題ではありません。新しいアートワークに替えるだけで、全ては事なきを得ました。 おもしろいのは、2週間後くらいにスティーブから電話があり、彼はこれ以上ないほど広告を気に入ってくれたことです。「アップル史上、いやコンピュータ史上最高のローンチだ。これにどんな形でも関わった人を感謝してくれ」と、愛と情熱のこもった賛辞をくれました。2週間前はすべてが台無しと叫んでいたにもかかわらずです。"
アップルの根幹にある「シンプルさ」とは?:『Think Simple』著者 ケン・シーガル氏インタビュー : ギズモード・ジャパン
